停電時の冷蔵庫を開けず温度計で確認

夏の停電で冷蔵庫は何時間もつ?食品を守る保冷剤・温度計・クーラーボックス

夏の停電で最初にやることは、冷蔵庫の食品をクーラーボックスへ移すことではありません。

冷蔵庫と冷凍庫の扉を開けない。

これが正解です。

冷蔵庫の冷気は、停電した瞬間に消えるわけではありません。慌てて扉を開けると、残っている冷気を自分で逃がします。

* 先に結論
庫内が十分に冷えていて扉を開けない場合、日本メーカーの案内では冷蔵室が約2〜3時間冷える目安があります。これは食品の安全を一律保証する時間ではありません。冷蔵庫用温度計を使い、復旧後は傷みやすい食品を優先して判断します。

停電直後、保冷時間、日本と米国の基準、復旧後の食品判断、備える3グッズを順番に整理します。

停電したら、中の食品を全部出した方がいいと思っていました。

全食品を移す作業は、冷蔵庫を長く開けるため逆効果になることがあります。

ラッシー ラッシー
まず開けない。次に停電の見込み時間と庫内温度を確認します。

停電直後は扉を開けない。保冷剤を移すなら1回で済ませる

停電直後は扉を開けず移すなら1回で済ませる3手順
  1. 扉を開けない:停電の範囲と復旧見込みをスマホやラジオで確認する
  2. 凍った保冷剤を上段へ:どうしても開ける時は1回で行い、冷蔵室の上へ置く
  3. 冷凍庫の隙間を減らす:凍った食品と保冷剤を寄せて冷気を保つ

冷気は上から下へ流れます。

警視庁は冷凍庫の食品を、メーカーは凍った保冷剤や凍らせたペットボトルを、冷蔵室の上段へ移す方法を案内しています。

冷凍食品を冷蔵室へ移す場合は、溶けた水で庫内がぬれないよう新聞紙やトレーを使います。

! 停電中にしないこと
扉を何度も開ける、常温の食品を追加する、冷蔵庫の全食品をクーラーボックスへ移す、味見で安全を判断する、は避けます。復旧後の電源操作は機種の取扱説明書を優先してください。

普段は冷蔵室を7割ほどにし、冷凍室は隙間を減らしておくと停電時の保冷に役立ちます。

冷蔵2〜3時間・冷凍48時間は基準と条件を分けて読む

日本と米国で異なる停電時の保冷時間目安

停電後の保冷時間は、庫内温度、外気温、食品量、扉の開閉、機種、パッキンの状態で変わります。

目安時間前提位置付け
冷蔵室約2〜3時間十分に冷えていて扉を開けない日本メーカーの目安
冷蔵室4時間扉を閉めた状態米国USDA/FDA基準
満杯の冷凍庫約48時間扉を閉めた状態米国基準を参考
半分の冷凍庫約24時間扉を閉めた状態米国基準を参考

ここで注意したいのは、2〜3時間が「その時間までは何を食べても安全」という意味ではないことです。

日本の家庭向け食中毒予防では、冷蔵庫10℃以下、冷凍庫−15℃以下の維持が基本です。農林水産省は冷蔵4℃前後、冷凍−18℃以下を適温として、温度計での確認を勧めています。

? 海外の4℃・2時間ルール
米国では4℃を超えた状態が2時間以上続いた傷みやすい食品を捨てる基準があります。日本の家庭向け一律基準としては確認できないため、米国の参考基準として分けて使います。

数字を暗記するより、冷蔵庫用温度計で実際の温度を記録する方が確実です。

復旧後は見た目と臭いで決めず、肉・魚・卵・乳製品から確認する

停電復旧後の食品を見た目と臭いだけで判断しない

食中毒菌が増えても、色や臭いが変わらない食品があります。

「臭くないから大丈夫」「少し味見して確かめる」は使えません。

優先して確認判断
生もの肉、魚、刺身、ひき肉温度と経過時間が分からなければ食べない
卵・乳製品牛乳、卵、ヨーグルト、軟らかいチーズ冷蔵温度を外れた時間を確認
調理済み食品惣菜、作り置き、弁当見た目だけで残さない
冷凍食品肉、魚、アイス、冷凍惣菜氷の結晶・温度・完全解凍を確認

日本の家庭向け公的資料は、少しでも怪しい食品を思い切って捨てるよう案内しています。

乳幼児、高齢者、妊婦、免疫機能が低下している人が食べる食品は、さらに慎重に判断します。

! 再冷凍は品質だけの問題ではない
完全に解凍して温度履歴が分からない食品を再冷凍しません。米国基準では、氷の結晶が残るか4℃以下なら再冷凍できる場合がありますが、日本では商品の表示とメーカー案内を優先します。

迷った食品を捨てる損失より、食中毒で体調を崩す損失の方が大きいです。

停電に備える強力保冷剤・クーラーボックス・冷蔵庫用温度計

強力保冷剤・クーラーボックス・冷蔵庫用温度計
グッズ役割選ぶポイント普段の置き場
強力保冷剤冷蔵室とクーラーボックスを冷やすハードは耐久、ソフトは隙間へ入れやすい冷凍庫
クーラーボックス傷みやすい食品を一時退避ハードは長時間、ソフトは収納性すぐ取り出せる場所
冷蔵庫用温度計庫内温度を数値で確認冷蔵・冷凍対応、見やすい表示冷蔵室・冷凍室

計画停電や台風が予告されている時は、2〜3日前から冷凍庫を低温設定へ切り替え、保冷剤を凍らせます。

冷蔵庫の中身をスマホで撮影しておくと、停電後に扉を開けず在庫を確認できます。

  • 停電時に使う保冷剤をあらかじめ凍らせておく
  • クーラーボックスを食品以外で埋めない
  • 温度計の位置を扉側ではなく庫内中央へ置く
  • 家族が食べる非常食を別に備蓄する

停電したら開けない。復旧後は温度と時間で判断する。

この2点だけでも、食品ロスと食中毒の両方を減らせます。

台風や大雨では、停電と同時に玄関から浸水する場合があります。水が入ってからでは土のうを作れません。