TOEICを受けようと思ったのに、やる気が消えた理由──“学習の罠”とその処方箋 これでTOEICやる気が出る!

TOEICの勉強が続かない?TOEICやる気が出ないのはあなたのせいじゃない。脳科学と心理学の観点から、続けるための仕組みを解説します。

TOEICを受けようと思っていたのに、気づいたら参考書もアプリも放置。
「やらなきゃ」と思う気持ちはあるのに、やる気がわかない──。

そんな状態に心当たりはありませんか?

実は、TOEICのやる気が続かないのは、あなたの性格や意志の問題ではありません。

それは、“人間の脳”の仕組みによる自然な反応です。

本記事では、心理学と行動科学の観点から「やる気が消える本当の理由」と、今日から実践できる具体的な解決策を解説します。

目次

TOEICを受けると決めたのに、なぜTOEICやる気は続かないのか?

「試験の申し込みもしたし、参考書も買った。…なのにやる気が湧かない。」

そんな自分にがっかりした経験は、誰にでもあると思います。
特にTOEICは、受験日が数週間〜数ヶ月先のため、“やらなきゃいけない感”だけが募り、実行につながらないという状態になりやすいのです。

このとき多くの人が、自分を「怠け者」や「意志が弱い」と責めがちですが、それは間違いです。
実際には、やる気が出ないのは“脳の構造上の正常な反応”
心理学的に見ると、TOEICのような“遠いゴール”に対して、人間は本能的にエネルギーを温存しようとするのです。

このメカニズムを理解すれば、「やる気が出ない」ことに罪悪感を抱く必要はありません。
むしろ、「やる気が出る仕組み」を先に用意することで、勉強は驚くほどスムーズになります。

やる気は湧かないのが普通──人間の脳が持つ“回避のクセ”

やる気は湧かないのが普通─

「やる気が出るのを待っていたら、いつまでも何もできない」

──これは、多くの自己啓発書で見かける言葉です。けれど実際のところ、人間の脳は「先延ばし」するようにできています

これはあなたの怠け癖ではなく、脳の仕組みが原因です。

心理学ではこれを「現状維持バイアス(status quo bias)」と呼びます。

人間の脳は変化よりも安定を優先し、エネルギー消費を嫌う性質を持っています。
つまり、TOEICの勉強を「今の自分を変える行動」として認識している時点で、脳は本能的にブレーキをかけているのです。

さらに、TOEICのように成果がすぐに得られない試験型の目標に対しては、モチベーションが持続しにくくなります。
行動経済学ではこれを「時間割引(temporal discounting)」と呼び、未来の大きな報酬よりも“今の快適さ”を優先する傾向があるとされています。

たとえば、

  • 今英語を30分勉強すれば3ヶ月後にTOEICスコアが上がるかもしれないvs
  • 今Netflixで30分リラックスすれば、すぐ気持ちよくなれる

この対立があると、脳は後者を選びがちです。

だから、あなたが勉強机に向かえない日があるのは、「甘え」ではなく正常な反応です。
脳は未来の報酬に対して“やる気”を自然にセーブするようにできている。
むしろ、やる気を「湧かせよう」と無理に頑張るほど、反動で疲れてしまいます。

本当に必要なのは、「気合い」ではありません。
“やる気がなくても動ける”設計を先に作ってしまうことです。

次の章では、やる気が消えてしまう3つの心理的な罠と、それを回避する仕組みについて解説します。

「目標が遠すぎる」と脳は動かない|やる気が消える3つの心理的罠

やる気が消える3つの心理的罠

TOEICの学習を始めたとき、多くの人はこう思います。
「3ヶ月後の試験に向けて、スコアを100点上げるぞ」
でも数日後には、気持ちは冷め、教材はほこりをかぶり始めます。

この“熱の冷却”は、あなたの意志が弱いからではありません。
それは、目標設定の構造自体に3つの罠があるからです。

ゴールが遠すぎて、報酬が感じられない

TOEICは試験日までの期間が長く、成長の実感が得にくい目標です。
脳は「今すぐ気持ちよくなれること」に反応しやすく、「将来的に役立つこと」には鈍感です。
これを心理学では「双曲割引(hyperbolic discounting)」と呼びます。
つまり、遠すぎるゴールは“やる価値が薄い”と感じてしまうのです。

成果が曖昧で、達成感が得られない

「なんとなく聞ける気がする」「ちょっと読めるようになった」
このようなあいまいな成長は、報酬として脳が認識しづらく、やる気の継続につながりません。

逆に、「Part 5の正答率が60%→75%に上がった」など、具体的な成果が数字で見えると、それが“報酬”になります。
ここで必要なのが「可視化の設計」です。

比較対象が他人で、自信をなくす

SNSやネット上には、「TOEIC900点取りました!」という成功体験が溢れています。
でも、そうした“他人のゴール”ばかり見てしまうと、
「自分はダメだ」「自分には無理」と感じてしまい、やる気が逆に落ちていきます。

心理学ではこれを「社会的比較理論」といい、他者比較はやる気を削ぐ大きな要因になることが分かっています。
→ 自分との比較、“昨日の自分を超える”仕組みこそ、やる気を守る鍵なのです。

これら3つの罠を避けるためには、学習の“報酬回路”を短く・明確に・自己完結型に作ることがポイントです。
次のセクションでは、続く人がどんな仕組みで学習を習慣化しているのか──その実例とメンタルモデルをご紹介します。

続ける人はこうしている!内発的動機と“小さな成功”の設計術

内発的動機と“小さな成功”の設計術

「勉強が続く人って、意思が強いんだろうな」

そう思っていませんか?実はそれ、です。

TOEICの学習を習慣化している人ほど、“やる気”に依存せずに仕組みで動いているのです。

では、その“続く人”はどういう設計をしているのか?

心理学の視点から、行動を継続できる脳の使い方を見ていきましょう。

内発的動機がベースにある

自己決定理論(Self-Determination Theory)によると、人は「義務感」で行動するより、「自分で選んだ」という感覚を持っているときのほうが継続しやすくなると言われています。
これを内発的動機(intrinsic motivation)と呼びます。

たとえば、「TOEICが必要だからやる」ではなく、

  • 「海外旅行で現地の人と話せるようになりたい」
  • 「英語で書かれた本を読めるようになりたい」という“自分だけの理由”があると、行動の燃料が長持ちします。

小さな成功体験を先に設計している

続く人は、「完璧な勉強」を目指すのではなく、“できた”を実感できる小さなゴールを先に作ります。
たとえば

  • 「今日はPart 2だけ5問解いて正解数を見る」
  • 「発音スコアが1点上がったらOK」
  • 「1日5分だけ、アプリを起動したら合格」

これらはどれも、“達成可能で測定可能”なミッションです。
しかも、うまくいけば脳にドーパミンが出て「気持ちいい」感覚が残る
この報酬が“もう一回やりたい”につながり、習慣になります。

「選択肢」を用意しておく

やる気がない日もあります。そんな時に「これしかできない」ではなく、

  • アプリで3問だけ解く
  • YouTubeで3分だけ英語動画を見る
  • リスニングを流して聞き流す

のように、難易度の異なる選択肢を用意しておくことも習慣化の鍵。
これを「if-thenプランニング」といい、モチベーションが落ちたときの脱落を防ぐ心理テクニックです。

「自分は飽きっぽい」「継続できない」と悩んでいた人ほど、
“続ける仕組み”を先に用意するだけで、英語学習は驚くほど変わります。

次に、あなたも今日から実践できる「TOEIC学習ハック」3選をご紹介します。

今日から始める“TOEIC学習ハック”3選

今日から始める“TOEIC学習ハック”3選

ここまでで、やる気に頼らず学習を続けるには「仕組み化」と「心理設計」が鍵であることをお伝えしてきました。
では実際に、今日から何をすればいいのか?

ここでは、「行動のハードルが低く」「成果が可視化され」「ドーパミンが出る」という3つの条件を満たすTOEIC学習ハックを紹介します。

すべて、
“意志が弱くても続けられる”ことを前提に設計
しています。

まずは“今の実力”を3分で見える化(Santaアルク)

Santaアルクは、AIがあなたのTOEICスコアを予測してくれる診断アプリ。
わずか10問・3分で現在地を知ることができ、そのまま自動で最適なカリキュラムを構築してくれます。

成長を“数字”で見られるため、
「やった分だけ伸びてる」という実感が得られ、やる気が自動的に湧いてきます。

👉 ポイント:最初に“今のスコア”を明確にすると、目標が現実に変わる。

「毎日やった」がログで見える仕組み(スタディサプリENGLISH)

やる気の最大の敵は「昨日なにやったっけ?」の空白です。
スタディサプリENGLISHなら、何をどれだけやったかが自動記録され、自分の努力が“見える資産”になります。

特にTOEICコースはパート別に分かれていて、今日は「Part 5だけやる」などの“1日1目標”が作りやすい。

👉 ポイント:学習履歴が「継続の証明」になり、自信につながる。

スコアで発音を“ゲーム化”する(ELSA Speak)

ELSA Speakは、発音をAIが分析し、スコア化してくれるアプリです。
「あなたのRとLの違いは85点」「thの発音は60点」など、改善ポイントが具体的な数字で返ってきます。

これにより、昨日の自分を超えることが「小さな快感」になり、続ける原動力に。

👉 ポイント:勉強じゃなく“ゲーム”として取り組むと、努力感が消える。

3つすべてを一度にやる必要はありません。
1つだけ、今から3分でできることを選んで試してみてください。

やる気より“構造”で学習は続く

TOEICのやる気が続かないのは、あなたのせいではありません。
それは「脳の仕組み」と「目標の設計」による、ごく自然な現象です。

やる気を出そうと頑張るよりも、
“やる気がなくても続けられる仕組み”を先に用意しておくこと。
これが、継続できる人とそうでない人の決定的な違いです。

  • 脳は「遠いゴール」より「今の快楽」を優先する(だから続かない)
  • 成果が見えないと脳は報酬を感じず、回避に向かう(学習の罠)
  • 続ける人は“内発的動機”と“小さな成功”を先に設計している
  • 行動を仕組みにしてしまえば、やる気は不要になる

TOEIC学習は長期戦のようでいて、続く人は全員「短期の達成感」を設計しています。
1日5分の成功体験を積み重ねるだけで、英語学習は「やらなきゃ」から「やりたい」に変わります。

▶ 次にやるべきこと

まずは、自分の“学習の現在地”を把握してみましょう。
Santaアルクの3分診断からスタートすれば、自然と次のステップが見えてきます。

あなたの学習を支えるのは、もう“やる気”ではありません。
習慣化の構造です。

▶ 英語学習をやり直したい人向けの完全ガイドはこちら
英語学習やり直し完全ガイド

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この記事を書いた人

株式会社ライフスタイル代表 上田仁

オンライン英会話「イングリッシュライフ」運営者。
TOEIC980点/英検1級。

中学生の頃は登校拒否、高校には進学せず中卒。
英語も勉強せずに大人になり、40歳目前に「このままじゃ一生話せない」と後悔。
そこから独学で英語を学び、TOEIC980点・英検1級・日常会話もスラスラ話せるレベルに。

このブログでは、「大人からのやり直し英語」をテーマに、
かつての僕と同じように「英語が苦手」「続けられない」と悩む人に向けて、
実体験から得たコツ・習慣・使える学習法を発信しています。

英語がゼロだった僕でもできました。
だから今のあなたでも、きっとできます。

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