英語圏での弔意表現は、日本語と違い、非常にシンプルで直接的な言葉が好まれる傾向があります。しかし、「シンプルだからこそ間違えたくない」「どの表現がフォーマルなのか分からない」と悩んだことがある方も多いのではないでしょうか。
私自身も、初めて海外の同僚のご家族が亡くなったと聞いたとき、何と声をかけてよいのか分からず、言葉に詰まりました。
この記事では、ビジネスでもプライベートでも使える「英語のお悔やみ表現」を、具体例付きでわかりやすくご紹介します。定番フレーズの使い分けから、相手との関係性に合わせた表現、避けるべきNGフレーズまで、実際に使える形でまとめました。
読後には、自信を持って英語の弔意メールが書けるようになるはずです。
基本のお悔やみフレーズ(定番表現)

英語の弔事メールでは、決まり文句やシンプルな言い回しが重視されます。失礼がなく、誰にでも使える定番表現を覚えておくと安心です。
一番よく使われる定番フレーズ
英語の弔意表現で最もよく使われるのがこの2つ。
- “I’m sorry for your loss.”
- “Please accept my deepest condolences.”
前者は会話でもよく使われるカジュアルな言い回し。後者はメールやカードでのフォーマルな表現です。
例えば
“I’m so sorry for your loss. You and your family are in my thoughts.”
このように続けることで、ただの定型文以上の温かみを持たせられます。TPOに応じて選びましょう。
sympathy と condolence の違い
“sympathy”は「共感、思いやり」といったニュアンス。“condolence”は「お悔やみそのもの」を意味するやや形式的な単語です。
- “My deepest sympathy”:感情に寄り添う温かい表現
- “Please accept my condolences”:フォーマルで一般的な文面
どちらも使えますが、文脈によっては印象が変わるので注意。ビジネスメールには“condolence”が無難です。
関係性別の表現

英語のお悔やみメッセージは、相手との距離感によって適切な言い回しが変わります。ビジネス向けと個人的な関係、それぞれのケースを見ていきましょう。
同僚・ビジネス向けフォーマル表現
仕事の相手には、感情を抑えた丁寧な表現が好まれます。
例
“Please accept my sincere condolences on your loss. I’m here if you need anything at work.”
また、メールの件名には “My Condolences” や “Thinking of You” がよく使われます。
自分の役割を踏まえたサポート提案も忘れずに。
親しい友人や知人へ送る表現
プライベートな相手には、もう少し心に寄り添う表現を。
例
“I was heartbroken to hear about your father. He was such a kind man. I’ll never forget his smile.”
相手と共有した記憶や感情を込めることで、単なる慰めではなく「一緒に悲しむ」姿勢が伝わります。
故人やご家族に寄り添う言葉

哀悼の意を示すだけでなく、故人の記憶や遺族への共感を込めることで、より深いメッセージになります。
故人を偲ぶ表現
例
“He was a wonderful colleague who always brought smiles to the office. He will be greatly missed.”
ポイントは、故人の具体的な特徴やエピソードを交えること。形式的すぎないよう気をつけましょう。
思い出や思いやりを込める表現
例
“Your mother’s kindness and warmth will always be remembered. I hope memories bring you comfort in this time.”
共通の思い出を伝えると、慰めの言葉がより心に響きます。優しい語調が大切です。
サポートやフォローの申し出

ただ「ご愁傷様です」と伝えるだけでなく、必要なら助けになるという姿勢も重要です。
実務的サポートを申し出る表現
例
“If there’s anything I can do to support you during this time, please don’t hesitate to ask.”
「無理せず何でも言ってね」という自然なニュアンスで伝えると、押しつけになりません。
慰めや励ましの言葉
例
“Take all the time you need. Everyone grieves differently. I’m here for you.”
過剰な励ましはNG。相手の時間と気持ちを尊重するのが大前提です。
避けるべきNG表現・注意点

善意でも、無意識に相手を傷つけてしまう表現があります。特に宗教的・価値観の違いに配慮が必要です。
宗教・運命論的な言い回し
避けたほうが良い表現
- “He’s in a better place now.”
- “Everything happens for a reason.”
宗教観は人によって大きく異なります。多様性を意識して、無難な表現を心がけましょう。
相手の感情を決めつける表現
避けたい言い回し
- “You should stay strong.”
- “It’s time to move on.”
相手の感情に指示するような表現は禁物。「今のつらさを尊重する」ことが、何よりの慰めになります。
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