フラットホワイト(Flat White)とロングブラック(Long Black)――。
この2つのコーヒー、カフェの英語メニューで見かけることはあっても、「どう違うのか?」と聞かれると意外と答えられない人が多いのではないでしょうか。どちらもエスプレッソベースのドリンクですが、実は注ぎ方、味わい、サイズ、そして歴史や起源に至るまで違いだらけなんです。
今回はそれぞれの定義や作り方の違いから、他の英語メニューとの比較、注文時に使える英語フレーズまで、Flat White と Long Black の世界を徹底的に解説します。
フラットホワイトとロングブラックとは?英語での定義と違いを解説

カフェの英語メニューでよく見る「フラットホワイト(Flat White)」と「ロングブラック(Long Black)」。似ているようで実は作り方も味もまったく違います。英語での定義や背景もあわせて解説します。
実は注ぎ方が決め手:エスプレッソとお湯/ミルクの注ぎ順
どちらもエスプレッソがベースですが、注ぎ方がまったく異なります。ロングブラック(Long Black)は先にお湯を注ぎ、あとからエスプレッソを加えることで香りを閉じ込めた「クレマ」が残ります。一方、フラットホワイト(Flat White)はエスプレッソにスチームドミルクを注ぎ、表面が平らな薄泡(マイクロフォーム)で仕上げます。注ぐ順番の違いが味と香りに直結するのです。
カップサイズや中身の比率は?分量で見る両者の違い
ロングブラックは約100〜120mlの小さめカップで、エスプレッソとお湯のシンプルな構成。一方フラットホワイトは150〜220mlの中サイズで、ミルク多め。比率はおおよそ「エスプレッソ1:ミルク3」で、ラテよりもコーヒー感が強めです。見た目もフラットホワイトはきめ細かい泡でなめらか、ロングブラックはクレマが美しい琥珀色です。
味わい・テクスチャー比較:クレマとミルクの質感の違い

口当たりや香りの印象が大きく異なるフラットホワイトとロングブラック。その違いはミルクの泡とクレマにあります。両者の質感や風味を詳しく見ていきましょう。
フラットホワイトのミルク:マイクロフォームのなめらかさとは
フラットホワイト最大の特徴は、スチームミルクに含まれる「マイクロフォーム(Microfoam)」と呼ばれる非常に細かい泡。泡の厚さは約5mm以下で、ラテやカプチーノよりも薄め。これにより、なめらかな口当たりとコーヒーの濃厚な風味が両立します。オーストラリアやニュージーランドで誕生したこのスタイルは、ミルクの甘さとエスプレッソのバランスが絶妙です。
ロングブラックのクレマ:香りを引き立てる理由
ロングブラックは、お湯の上にエスプレッソを注ぐことで「クレマ(Crema)」と呼ばれる茶色の泡が表面に残ります。このクレマがコーヒーのアロマ成分を閉じ込め、飲む瞬間にふわっと香りが立ち上がるのが特徴。アメリカーノとは違い、注ぐ順序を逆にすることでより豊かな香りと風味が楽しめます。ブラック派にはぴったりの一杯です。
他の英語メニューとの違い:ラテ・アメリカーノとどう違う?

「カフェラテ(Café Latte)」や「アメリカーノ(Americano)」ともよく比べられるフラットホワイトとロングブラック。それぞれどんな点が異なるのか、味・泡・比率から見てみましょう。
フラットホワイトとラテ/カプチーノ比較
フラットホワイトとラテは見た目が似ていますが、ラテは約240ml以上と大きめサイズで、泡も厚め(約1cm)。カプチーノ(Cappuccino)はさらに泡が多く、粉末チョコを振ることも。対してフラットホワイトは約200mlで、泡も薄くコーヒーの風味を前面に出しています。ラテより甘さ控えめ、でもミルクのコクを楽しみたい人にぴったりです。
ロングブラック vs アメリカーノ:注ぎ方の違いで味も変わる
アメリカーノはエスプレッソにお湯を後から加えるスタイル。ロングブラックはその逆で、お湯を先に入れることでクレマを保ち、香りが残ります。この違いが味の深みを大きく変えます。アメリカーノはスッキリ系、ロングブラックは香ばしく余韻が残るタイプ。飲み比べてみるのもおすすめです。
注文フレーズ&バリスタ視点:使える英語表現

海外のカフェで戸惑わないために、注文時に使える英語フレーズや、バリスタ視点での特徴を押さえておきましょう。実践的な表現も紹介します。
「I’d like a Flat White, please.」など英語での注文例
カフェで使える英語表現はとてもシンプル。「I’d like a Flat White, please.」でOKです。他にも「Can I get a Long Black?」や「One Flat White, please.」などがよく使われます。サイズを指定したい時は「A small Flat White」など、量の感覚を伝えるとスムーズです。発音は「フラットワイ(t)」「ロングブラック(g強め)」がネイティブに近いです。
バリスタが語る「平らに仕上げるコツ」&専門的視点
フラットホワイトは「泡が立ちすぎてはいけない」「ミルクがなめらかで温度も完璧であるべき」と、バリスタ泣かせの一杯。特にラテアートをしない“平らな表面”に仕上げるには、技術と経験が必要です。一方ロングブラックは、エスプレッソの抽出タイミングとお湯の温度が重要。どちらも奥が深く、プロのこだわりが詰まっています。
地域差&語源・起源:オーストラリア・NZ・UKでどう呼ぶ?

フラットホワイトやロングブラックの呼び名や起源は、実は国によっても異なります。カフェ文化の背景や人気の広がりも含めて見てみましょう。
フラットホワイト発祥は豪州?NZ?歴史を紐解く
フラットホワイトは1980年代にオーストラリアまたはニュージーランドで誕生したとされ、どちらの国が先かは論争の的。名前の由来は「泡が少なく表面が平らなミルクコーヒー」から来ています。豪州のシドニーでは既に定番で、UKでも2005年ごろから急速に普及。スタバなど大手チェーンも採用し、世界中で人気メニューとなりました。
UKで人気急上昇!ロングブラックがシェアを伸ばす理由
イギリスでは近年、ブラック系コーヒーの需要が増え、ロングブラックが注目されています。理由は「アメリカーノより香りが良く、味がしっかりしている」と感じる人が多いため。2023年にはロンドンのカフェでの注文の約9%がロングブラックに。香り重視の消費者に支持されているようです。
カロリー・カフェイン比較:健康面での視点

コーヒーの味だけでなく、健康面も気になるところ。フラットホワイトとロングブラックのカロリーやカフェイン量を比較してみましょう。
ロングブラックは基本ブラックコーヒーなので、カロリーはほぼ0kcal。ダイエット中でも気軽に飲めます。一方、フラットホワイトはミルクが入っているため、牛乳200mlで約130kcal前後。ただし、ラテやカプチーノに比べるとミルクの量が少ないので、ややヘルシー。カフェイン量はエスプレッソ2ショット分(約120mg前後)とどちらも同程度です。
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