英語の中でも「get」という単語ほど、初学者を混乱させるものはありません。辞書を開けば「得る・なる・手に入れる・移動する・理解する」など、あらゆる意味が並び、まるで迷路のように感じることでしょう。
正直なところ、僕も最初はこの「get」に散々悩まされました。高校英語どころか中学すらろくに覚えていない状態で、TOEICの公式問題集に出てきた「get over」や「get through」に「なんやねんそれ」と頭を抱えたのを今でも覚えています。
でもね、ある時「get」の“コアイメージ”を理解した瞬間、霧が晴れるように意味がつながり出したんです。
英語の動詞には「核(コア)」となるイメージがあり、それを掴めば応用も効くようになります。特に「get」は、心理的な変化や物理的な移動など、人間の基本的な行動に直結する動詞なので、一度理解すれば英語学習の土台が一気に安定します。
この記事では、そんな「get」のコアイメージと派生する句動詞、そして覚えやすいコツまでを、僕の学習経験も交えてわかりやすく解説していきます。
「get」を制する者は英語を制す!
そう言っても過言ではないくらい、重要なテーマです。では、早速始めましょう。
「get」のコアイメージを理解しよう

英語を勉強していると必ず出会うのが「get」という動詞。でもこの単語、意味が多すぎてどうしていいかわからなくなりませんか?
実は「get」には共通する“ある感覚”があるんです。それがコアイメージ。これを理解することで、「get」の使い方が一気にクリアになります。
なぜ「get」は意味が多いのか?
「get」は、「変わる」「移る」「手に入れる」といった“動き”や“プロセス”を示す動詞です。そのため、使い方によっていろいろな意味に広がります。
- I got a book.(本を手に入れた)
- It’s getting cold.(寒くなってきた)
- We got to the station.(駅に着いた)
すべて「ある状態に向かう」「変化する」というイメージが共通しているんですね。
コアイメージは「自分のものにする」
「get」の中心には、“何かを自分の手元に引き寄せる”感覚があります。物だけでなく、感情や状態、スキルも含まれます。
- I got the idea.(アイデアがわかった)
- He got angry.(怒るようになった)
- She got used to it.(それに慣れた)
このように「get」は、「変化」や「習得」といった意味を持つのです。
派生する20の句動詞と意味一覧

「get」に前置詞などがつくと、新しい意味の句動詞になります。以下の表で、よく使われる20の句動詞をまとめました。
句動詞 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
get up | 起きる | I got up at 6. |
get out | 出る | She got out of the car. |
get back | 戻る | He got back home late. |
get in | 入る | She got in the taxi. |
get out of | 抜け出す | I got out of the meeting. |
get on | (乗り物に)乗る | He got on the bus. |
get off | (乗り物から)降りる | We got off at the next stop. |
get into | ~に入る/夢中になる | He got into trouble. |
get used to | ~に慣れる | I’m getting used to the new job. |
get over | 克服する | She got over her cold. |
get along | 仲良くする | They get along well. |
get through | やり遂げる/通過する | She got through the exam. |
get ahead | 出世する/進歩する | He wants to get ahead in life. |
get across | 伝える | He got his message across clearly. |
get by | なんとかやっていく | I can get by on a small income. |
get down | 落ち込む/書き留める | This weather is getting me down. |
get around | 動き回る/うまく乗り切る | He gets around town easily. |
get together | 集まる | Let’s get together this weekend. |
get away | 逃げる/休暇を取る | We got away for a few days. |
get rid of | 取り除く/捨てる | I want to get rid of these old books. |
この表を見ながら「どの句動詞がどんなイメージなのか」を意識すると、記憶の定着が早くなります。
覚えやすい「get」の覚え方3選

意味が多い「get」だからこそ、効率的な覚え方が大事です。僕がTOEICで900点を取るまでに実践してきた方法を紹介します。
イメージで覚える:図で理解する
図解やイラストを使うと、「get」の“動き”が直感的に理解できます。
- 物を取る→ 手を伸ばす絵
- 状態が変わる→ 色がグラデーションで変わる図
目で見て覚えると、頭に残りやすくなります。
よく使う前置詞とセットで覚える
「get」がよく組み合わさる前置詞をまとめて覚えましょう。
- get on(乗る)/get off(降りる)
- get in(中に入る)/get out of(抜け出す)
セットで覚えることで、前置詞の意味も自然に身につきます。
英会話での「get」の使い方と例文

実際の会話で「get」はどう使われているのでしょうか? ネイティブの自然な表現をチェックしてみましょう。
ネイティブがよく使う表現
- get with it:急いで、ちゃんとして
- Come on, get with it!(さあ、しっかりして!)
- get across:伝える
- He couldn’t get his point across.(自分の言いたいことを伝えられなかった)
意味が分かりにくい場合も、文の流れを意識すれば理解できます。
TOEICや英検に出る表現
- get through:やり遂げる、通過する
- She got through the test.(試験を乗り切った)
- get ahead:出世する、進歩する
- He wants to get ahead in his job.(仕事で成功したいと思っている)
試験でもよく出てくるので、覚えておいて損はありません。
「get」は、英語を話す人の“思考の動き”を映し出す重要な動詞です。意味の多さに戸惑わず、「動き・変化・取得」のイメージで捉えると、英語がもっと自然に感じられるようになりますよ!
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